From 空想 to 睡眠 〜ファミコン回顧録2〜
ハイセンスなCMなんです
クーソー??
「クーソーしてから、寝てください」
突然ですが、↑のキャッチコピー、何だと思いますか?
大半の方は「何のこっちゃ?」となるかもしれませんね。
はい、これ、実は当時(昭和50〜60年代)にテレビで流れていた
「ナムコゲーム」のCMなんです。
外人の少女がナムコのゲームタイトルを色々プレイしているシーンから
始まって、最後はお決まりのキャッチコピー、「クーソーしてから、寝てください。」
で終わるこのCM。当時のファミっ子達の脳裏に焼き付いていたのではないでしょうか?
このコピー、当時は何を言っているのかわからず、次第に「あ、クーソー、空想か!」
と「空想」という漢字を覚えるであろう小学校中学年くらいから意味を理解し始めたような気がします。ただ、もう一つのワードである「クーソー→●ソ」にもうっすら気づいてはいましたが、「まさかCMでそんなことは言わんだろう」と子供ながらに放送倫理なるものをどこかで意識しておりました。
でも少し大きくなってからこのCMの批評を読む機会があり、「大人が子供に言う”●ソしてから寝ろ!”と”空想”をかけた秀逸なコピーなんだよ」と言うことを理解してからは、CMプランナー(コピーライター?)のセンスの良さに脱帽しつつも「自分には無理な世界だ〜」と早くも将来の就職先としての選択肢を一つ失うことにもなったのでした。
このコピー、糸井重里さんの作品なんですよね。糸井さんといえば「Mother」が真っ先に浮かんできます。どうでも良いですが、なぜか彼のイメージ、私の中では「赤」なんです。これもおそらく「Mother」のパッケージの色に紐づいているのでしょう。
オモチャー
そしてナムコのCMをもうひとつ
「オモいカルチャーをオモチャーと言う。」
はい、また秀逸なキャッチコピーが来ましたね笑
登場するこのCM、相手の女性はインベーダー、さしずめ
「ギャラクシアン」か「ギャラガ」の敵キャラといったところでしょうか。
「オモいカルチャーをオモチャーと言う。」と言うコピーですが、
もう皆様、読んで字の如し、色々な意味・想いが込められていますよね。
「オモい(重い)カルチャー(軽チャー)をオモチャー(おもちゃ)と言う。」
重い⇆軽い の対義語で使った言葉を最後は一つにまとめて別の言葉にする。
しかもこのCMで訴求するゲーム(=オモチャ)のことを指している、と言う
非常に計算された、かつセンスフルな言葉遊び。かつてのナムコは本当にスタイリッシュなCMを打っていたんだなあ、と勝手に感動すら覚えている今日この頃です。
そういった「センスの良いCM」で紹介されたナムコのゲーム達、もちろんそれぞれが名作揃いではあるのですが、パッケージも当時の任天堂ゲームズと異なり、銀ベースの派手な、躍動感のあるデザインであったことからも、少年たちの心を躍らせる存在であったわけです。
今回はゲームそのもの、と言うよりゲームを飾る「CM」というツールについてのご紹介でした。
※実際のナムコゲームは下記ページで紹介しています。併せてご覧くださいね。